ラグビー日本代表を率いるジェイミー・ジョセフヘッドコーチ。
2023年9月8日から開催されるラグビーワールドカップフランス大会で、日本代表史上初のベスト4、さらに優勝を目指します。
ジョセフHCはフランス大会後に日本代表HCを退任することが発表されています。
日本代表HCとして、史上初のベスト8を達成するなど、功績を残してきたジョセフHCはなぜ退任するのでしょうか。
この記事では、ジョセフHCのこれまでの経歴、日本代表HCを退任する理由、次なる活躍の場について解説します。
記事のポイント
- ジェイミー・ジョセフHCの現役時代
- コーチとしての功績
- 日本代表HC退任の理由
- 2024年からの新天地
ジェイミー・ジョセフHCの経歴
本名 | James Whitinui Joseph(ジェームス・フィティヌイ・ジョセフ) |
生年月日 | 1969年11月21日(53歳) |
出身地 | ニュージーランド |
身長 | 196㎝ |
現役時代ポジション | フランカー、ロック、ナンバーエイト |
日本代表HC就任日 | 2016年9月1日 |
現役時代は日本でも活躍
ジェイミー‣ジョセフHCは、現役時代は身長196㎝、体重105kgという体格でフランカー、ロック、ナンバーエイトとして活躍しました。
ニュージーランドの最古の大学であるオタゴ大学を卒業後、1989年にオタゴ州代表としてデビューしています。
その後、1991年にニュージーランド・マオリ代表、1992年にニュージランド代表に選出され、通算20キャップ(出場試合数)を獲得しています。
1995年に南アフリカ共和国で行われた第3回ラグビーWCでは準優勝にも貢献しました。
同じプールに入った日本戦にも出場し、ニュージーランドが145対17で勝利。
現在でも残る最多得点、最多失点を記録した試合でした。
同年、日本の西日本社会人リーグのチームであるサニックス(現・宗像サニックスブルース)に加入し、2000年まで在籍しました。
1999年には、ウェールズを主体として行われた第4回ラグビーWCに日本代表として出場しています。
日本代表としては通算9キャップ(10得点)を獲得しています。
ジェイミー・ジョセフHCは、現役時代にも日の丸を背負って世界と戦っていたのです。
コーチとしての活躍
ジェイミー・ジョセフHCは、2003年にニュージーランドのウェリントン代表チームのアシスタントコーチとして指導者のキャリアをスタートしました。
2008年には同代表チームのヘッドコーチ、2010~2012年はマオリ・オールブラックスのヘッドコーチを歴任。
2011年からはラグビーの国際リーグ戦であるスーパーラグビーの参加チームであるハイランダーズのヘッドコーチに就任し、2015年にはチームを初優勝に導いています。
2015年にイングランドで開催された第8回ラグビーW杯で、日本代表は強豪・南アフリカを含め日本史上最高の3勝を挙げました。
その日本代表を率いたエディー・ジョーンズHCが退任し、ジョセフHCが2016年9月に新ヘッドコーチに就任したのです。
2019年に日本で行われた第9回ラグビーW杯では、世界ランキング9位の日本代表が同2位のアイルランド代表、同7位のスコットランド代表らを破り、プール戦4戦4勝で史上初のベスト8に日本代表を導きました。
W杯での功績が評価され、ラグビーユニオンの統括団体であるワールドラグビーから年間最優秀コーチ賞にノミネートされました。
結果は南アフリカをW杯優勝に導いたラシー・エラスムスHCが受賞。
しかし、ジョセフHCはW杯後にニュージーランド代表のHC候補に挙がるなど、手腕は高く評価されていました。
そんな中、日本代表のHCの契約を更新し、2023年第10回ラグビーW杯フランス大会を目指すことになりました。
ジェイミ―・ジョセフHCはラグビーW杯フランス大会後に退任
W杯フランス大会をもって、日本代表のHCを退任することが発表されているジェイミ―・ジョセフHC。
日本代表史上最高のW杯ベスト8に導いた指揮官は、今回のフランス大会を最後になぜ退任することになったのでしょうか。
また、W杯後の新天地はどこなのか、日本代表の後任HCは決定しているのでしょうか。
以下では、ジェイミー・ジョセフHCが日本代表のHCを退任する理由や次なる活躍の場、後任のHCについて触れていきます。
日本代表HCを退任する理由
2023年7月5日、ラグビーW杯フランス大会に向けた宮崎合宿の公開練習後の取材で「日本での時間を愛しているが、(日本代表を)離れるにはいいタイミング。家族のこともあり、いいことだと思っている。」とコメントを残し、日本代表HCの退任の意向を表明しました。
同年7月12日には、日本ラグビー協会の岩渕健輔専務理事からジョセフHCの退任の申し出を正式に受理したと明かされました。
ジョセフHCは妻と4人のお子さんがみえます。
2016年に日本代表に就任した際、家族とは離れて生活することになりました。
就任後7年が経過し、様々な理由がある中でジョセフHCの上記のコメントから『家族との時間を大切にしたい』という思いが退任の大きな要因になっていると考えられます。
ジェイミー・ジョセフHCの次なる活躍の場
ジェイミー・ジョセフHCは、2024年から古巣であるスーパーラグビーのハイランダーズに復帰し、新たに創設された『ヘッド・オブ・ラグビー』に就任します。
契約期間は4年。
ヘッド・オブ・ラグビーとは、コーチ陣へのサポートや選手獲得などを担う役職です。
家族が暮らすニュージーランド・ダニーデンを本拠地とするハイランダーズへの復帰。
ジョセフHCは、チームを通じて「クラブと地域に恩返しをする素晴らしい機会だと考えています。」とコメントしています。
#ラグビー日本代表 ヘッドコーチ #ジェイミー・ジョセフ HCは、#RWC2023 後にハイランダーズへ🇯🇵🛫🇳🇿#今年はラグビーワールドカップイヤー pic.twitter.com/585iPqHdEn
— ラグビーパス (@RugbyPass_JP) August 10, 2023
日本代表の後任HCは?
現在、ラグビーW杯フランス大会後の日本代表HCは発表されていません。
日本ラグビー協会は、選考業務の一部である公募から絞り込みまでを外部企業に委託すると発表。
その後、候補者後任委員会などで次期日本代表HCが決定します。
今後の動向が注目されます。
9月8日から開催されるラグビーW杯へ全力を注ぐ日本代表。
初優勝を目指し、ジェイミー・ジョセフHCと共に世界の強豪に挑みます。
総括:W杯フランス大会後に退任するジェイミー・ジョセフHCの経歴と新天地
記事のポイントは以下のとおりです。
- ジェイミー・ジョセフHCの現役時代は、ニュージーランドと日本の代表として活躍した
- 日本代表HC就任前は、スーパーラグビー・ハイランダーズのHCとして初優勝に導いた
- 2016年から日本代表HCに就任
- 2019年のW杯日本大会で日本代表史上初のベスト8を達成
- 年間最優秀コーチ賞にノミネートされた
- 2023年のW杯フランス大会を最後に日本代表HCを退任する
- 2024年からは古巣ハイランダーズの『ヘッド・オブ・コーチ』に就任する
- 『ヘッド・オブ・コーチ』とは、コーチ陣へのサポートや選手獲得などを担うポスト
- 後任の日本代表HCはまだ決まっていない